「平城遷都1300年祭」のマスコットキャラクターがえらく話題になり、
ドラマでは「鹿男あをによし」も放映中で、奈良県がにわかに注目されている。
奈良県民としては、自分の県が注目されるのは嬉しいことだけれど、
いいイメージが持たれればのこと。
今回注目されているマスコットキャラクターは、平城遷都1300年祭事業協会によると、
専門家のデザイン21案の中から選ばれたものらしい。
奈良を象徴する「鹿」の角を頭に生やした童子をイメージしているとのこと。
「かわいい」とか「かわいくない」ということではなく、コンセプトを理解して欲しい
というようなことを言われている。
しかしマスコットキャラクターと言うのは、ぱっと見て好感が持てて、そのイベントなり、
その商品なり企業のイメージアップに繋がるものではないかと思う。
このキャラクターにした経緯や背景の説明を、ほとんどの人たちは
いちいち聞くことも読むこともない。
ポスターや商品に印刷されたキャラクターを見るだけだ。
それならば、やはりより多くの人に好感を持ってもらえるような
キャラクターにする方が良いのではないかと思う。
私はこのキャラクターを初めて見たとき、童子の頭から角が生えていることに
違和感を感じ、奈良のイメージが壊れるようで、嫌な感じがした。
童子とわかるまでは、仏像をイメージしているのかと思い、
仏様から角を生やすなんて、失礼なキャラクターだと腹も立った。
デザイナーや専門家が21人もいて、どうしてこのキャラクターに決まったのか、
そちらの経緯のほうが知りたい。
広く公募するとか、もしくはいくつか候補に挙がったデザインを投票で決めるなど、
そういった方法で県民の意見を聞くことはできなかったのだろうか?
昨日は街頭で署名活動も行なわれて、正当な方法でキャラクターの
変更を求めている団体がいる。
しかしその一方で、マスコットキャラクターをデザインした作者に
非難が集中しているようだが、それはおかしい。
異議を唱えるのであれば、平城遷都1300年祭事業協会へであり、作者個人へ
誹謗中傷めいたメールを送りつけるのは、大人として恥ずかしい行為だ。
面と向かっては意見が言えないが、どこの誰かが判らなければ、人を傷つけること、
貶めることを平気でしてしまうのが、ネット社会の最大の問題点。
そして物事が悪い方へ暴走し、拡大していくことも少なくない。
この作者は大学院教授と言うことらしいが、普通なら卑劣な誹謗中傷メールに
感情的に反論し、ますます収集がつかなくなることが多いネット社会の中で、
この方は激昂することなく、冷静に丁寧に対処しておられる様子で、
作品の好き嫌いはともかく、人間的に器の大きな方だと感じた。
平城遷都1300年祭まであと2年。
季節ごとに様々なイベントを開く計画のようで、総事業費約100億円だとか。
奈良の都の知名度を上げ、観光客を呼び込み、奈良を活性化しようという
狙いなのだろうが、県民としてはイベントにこれほどの費用をかけるより、
教育や福祉、そして環境整備にもっと力を入れ欲しいというのが本音。
しかし、決まってしまった事業はどんな逆境にあっても貫き通すのがほとんどの行政やり方。
古都としては世界的に知名度の高い「京都」と同じ近畿圏内にあり、影が薄い「奈良」
観光規模の大きさや華やかさの点では、なかなか「京都」と同じようにはいかなくとも、
やるからには「奈良」らしい良さを多くの人に知ってもらえるよう、お金をかけるばかりではなく、
内容をしっかりと吟味し、有意義なイベントにして欲しい。
今回の騒動で「奈良」は一躍有名になり、全国での知名度をぐっと上げたようだ。
このことを想定して、今回のキャラクターを決めたのであれば、審査員は一枚上手かもしれない。